武蔵野を中心に東京探訪日記 since 2006

武蔵小金井ー吉祥寺や旅先を探訪する日記です。

日本画に向い会う時ー山種美術館(東京渋谷区広尾)


山種美術館に行ってきました。
日本画ばかりを1800余点を有する美術館です。


山種美術館 - 01



日本画の名品の数々を所蔵されている美術館ですが、それらの代表的な作品を常設展示ではなく作品の保存を考え、所蔵品の中からテーマに沿った選りすぐりの作品を入れ替え展示しています。

好きな画伯の展示の時は、ここぞとばかりに馳せ参じられるのではないかと思われます。
常設展でいつでも行けば好きな作品に会えるといった愉しみ方とまた別の趣きがあります。



山種美術館 - 12



山種美術館 - 02



今回の展覧会は
『歴史を描く―松園・古径・靫彦・青邨―』


上村松園の作品は子 松篁 孫 淳之と併せて見たいと思いつつもなかなか見ることができなかったので、今回、じっくりと見ることができて良かったです。いつも前述の三人の作品を集めた松伯美術館の最寄り駅を通過する時、口惜しい気持ちでおりました。松園の作品だけを集め展示した部屋もあり、充分に堪能してきました。
山種美術館所蔵の銘品、上村松園《砧》も見ることができました。

表題の《砧》とは能の演目で、男を待ちながら砧打つ(木槌で着物を叩く)。このことで布は肌になじみ表面に滑らかさを帯びることで、忘れられても待ち続け想う女性の情念を表した作品です。
松園の描いた《砧》の女性は、木槌と着物をほおりだし、立ち居で佇み、茫洋と遠くを眺めていました。



日本画の妙というか銘品は、個人的な見解ですが、まず空間があり、そこに伝えようとするものが、佇みます。
それは、菖蒲でも、白梅でも、空間に一つ佇みます。
だからこそ、見るものもその空間に1人佇み向かい合うのです。
そこにいるのは自分ただ一人に感じます。



絵の中で佇む女性が何を思っているかは、私の人生経験からはまだすべてを想い計れませんが、また何十年か後にいくことがあれば、また違ったことを受け取れるのでしょう。

十年程前に木槌で着物を叩く『砧』を知った時には、それは、着心地が良さそうだと、想うのみでした。
山種美術館は、また何十年か後でも私が、この《砧》を鑑賞したくなった時、また変わりなくこの作品を展示してくれることでしょう。




展示室は、作品の保持を考えて地下ににあります。
館内も日本画の空間と同じく余計な装飾のない静謐な美しい佇まいでした。



山種美術館 - 03 山種美術館 - 04





今回の作品は、日本の合戦の歴史を描いた作品も多く、絵の前で『これは、宇治川の戦いだな』と感嘆の声を上げている方もおられました。何故か父を想い出し、顔がほころびました。



金箔を散らした上に文字。またグラデーションの上に文字を置く。文字も絵の一部となった表現。西洋絵画と違った表現は、深く魅入るものがありました。





こちらも合戦つながりで、表に面した1階のCafe 椿で、今回の展覧会に即した上生菓子とお茶をいただきました。
毎回、展覧会にちなんで青山の老舗菓匠「菊家」でオリジナルの和菓子が拵えられているとのことです。



山種美術館 - 09 山種美術館 - 06 




名前を失念してしまいましたが、壇ノ浦の戦いをモチーフにした上生菓子だったと記憶しています。


山種美術館 - 05


(確か)『壇ノ浦』







作品の余韻に浸りながら、美術館の中の喫茶室でお茶を飲むこともわたしの美術館の愉しみの一つです。
そして、ミュージアムショップで速水御舟の《紅梅・白梅》のクリアファイルも思わず、購入してしまいました。
速水御舟もまた気に入りの日本画作家さんです。


山種美術館 - 14





存分に、山種美術館を愉しんでその日は帰路につきました。




『歴史を描く―松園・古径・靫彦・青邨―』は以下の会期で開催です。
興味を持たれた方はぜひ、足をお向け下さい

会 期: 2011年1月8日(土)~2月17日(木)

関連リンク
山種美術館の別の展覧会の日記
東山魁夷と日本の四季ー山種美術館(東京渋谷区広尾) 2015

カテゴリー:Art & Design
カテゴリー:23区を行く


white.gif

山種美術館
サイト
〒150-0012東京都渋谷区広尾3-12-36
TEL 03-5777-8600 (ハローダイヤル)
開館時間:午前10時から午後5時
入館は閉館の30分前まで
※特別展の開館時間は変更になることもあります。
休館日:毎週月曜日(祝日は開館、翌日火曜日は休館)
展示替え期間、年末年始

入館料:

【通常展】 個人 団体
(20名以上)
大人 1000円 800円
大学生・高校生 800円 700円
中学生以下
保護者の同伴が必要です 無料 無料
 
【特別展】    
展覧会により異なります。
※入館料は展覧会の情報ページをご参照ください
 
障害者手帳、被爆者手帳ご提示の方
および その介護者(1名)は無料
 
※料金はいずれも消費税込みです。


大きな地図で見る

white.gif


関連記事

Posted by lemon on  | 0 comments  0 trackback

Leave a reply






管理者にだけ表示を許可する

Trackbacks

trackbackURL:http://sitoron.blog.fc2.com/tb.php/481-cff7e583
該当の記事は見つかりませんでした。